境界性人格障害の増加の原因:成育環境の影響

境界性人格障害の増加の原因:成育環境の影響

境界性人格障害の中核的な特徴の一つである感情の不安定さは、成育環境の影響を大きく受けます。
近年の成育環境の変化が、境界性人格障害の増加の原因にもなっていると言えます。

 

感情をコントロールする能力は、社会的体験の積み重ねによって培うものです。
その基礎を作るのは、幼少期の家庭環境です。

 

子供は、肉体的な痛み、空腹、寂しい、悲しい、怖いなどさまざまな心の痛みを感じたときに、泣いたり喚いたりして親の助けを求めます。

 

親は総合的に判断して、子供の要求を満たしたり、なだめて我慢させたりします。
つまり、感情のコントロールが未熟な子供をサポートし助けるのが親の役目です。

 

このような体験を通して、子供は徐々に自分で感情をコントロールする術を身につけていきます。

 

しかし、幼少期の子供の欲求に対して、親が無視したり、非難した場合は、子供は感情をコントロールする術を身につけられないどころか、感情の不安定さが助長されてしまいます。

 

また、子供の欲求に対して過剰に満たしすぎた場合も、子供は忍耐力やストレス耐性を身につけ損ない、感情をコントロールする術も身につけられません。

 

ことさら、初期の過保護とその後の不認証環境がそろえば、余計に状況は悪化します。

 

幼い頃の適切でない体験は、たいていは大人になるまでに制御できるようになりますが、そこに何らかの引き金となるような刺激が加わると、境界性人格障害を発症してしまいます。

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