境界性人格障害の複雑性:過剰な反応

境界性人格障害の複雑性:過剰な反応

境界性人格障害の人は、過剰な反応をしてしまう傾向があります。
情動のコントロールがうまくできないからです。

 

通常の人は、情動を穏やかにコントロールし、泣いたり憤慨したり脅威を感じたりといったことは、普段の生活においてあまり起きないようになっています。
特別良いことや悪いことがあったときだけ、強く興奮して行動に現れます。

 

しかし、境界性人格障害の人は情動のコントロールがうまくいかないので、些細なことに過剰な反応を示し、極端な言動などを取ってしまいます。
そして、これが行動面や対人関係面、アイデンティティ面の不安定さを引き起こします。

 

情動がコントロールできない問題には、2つの側面があります。

 

一つは、気分や感情の微妙なコントロールができず、気分の浮き沈みが激しいことです。
もう一つは、非常に傷つきやすく、一見些細に思える出来事に対して、過剰な情動反応を引き起こすことです。

 

前者は躁鬱的な気分のコントロールの問題で、後者はPTSD(心的外傷後ストレス障害)などの心の傷を抱えていることが問題です。

 

傷つけられる体験をすれば、その不快な記憶は、扁桃体や海馬に刻み込まれます。
そして、同じような状況になったとき、情動的な興奮が起こり、ネガティブな感情に囚われ、攻撃的または逃避的な反応が起こります
このような情動的反応は非常に強いので理性によるコントロールが難しいです。

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