境界性人格障害の複雑性:心から安心できない

境界性人格障害の複雑性:心から安心できない

境界性人格障害の人は、心から安心できないことが多いです。
自分と他者の境界が曖昧なため、他者からの影響を受けやすいからです。

 

自己アイデンティティが常に外界から脅かされていると感じています。
こういった心理状態は、強いストレスがかかった状況では誰にでも見られるものですが、境界性人格障害の人では、それが日常的に、しかも強い圧迫感を伴って感じられやすい傾向があります。

 

その結果、境界性人格障害の人は、基本的に安心感に乏しく、居場所のなさを感じやすくなってしまいます。
基本的な安心感の乏しさと、自分と相手との関係の不安定さとは、深く結びついています。

 

このように未分化でもろい自我を抱えてしまうのは、自分と他者を切り離す最初の段階、すなわち母子分離の段階でのつまずきが影響していることが多いです。
安心して母親の元から離れていくことができず、自分を独立した存在として確立することに強い不安と恐怖を感じてしまっています。

 

自我が未分化で混同しやすい傾向は、その人物の中に他者が絶えず介入し、主体性や安全性を脅かしてきたことの名残でもあります。
そのため、いつも周囲から脅かされていると感じ、他者を心から信じ受け入れることができにくいです。

 

常に違和感を覚え、心からリラックスすることができず、身の置きどころがないという辛さを味わっています。

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