境界性人格障害のタイプ:依存性が強い

境界性人格障害のタイプ:依存性が強い

いつも誰かに頼っていて、その結果人に尽くしすぎているという人は依存性人格障害を併せ持った境界性人格障害かもしれません。
このタイプは境界性人格障害の中で最もよく見られるタイプです。

 

依存性人格障害の人は自分の気持ちを大切にするよりも相手の顔色を伺って相手に合わせています。
そのため、騙され利用されることが多いです。
自分を利用すると分かっている相手でも、自ら尻尾を振って近づいてしまいます。

 

友人知人が大勢いても、もっともっと友人を作ろうとします。
誰からも愛されたいと感じ、八方美人な振る舞いをします。
こういった言動の根底には、自分を無能で誰かにすがらないという生きていけないという思い込みがあります。

 

依存性人格障害のみ発症している人は、本来良い人で献身的な性格の持ち主ですが、境界性人格障害を併発すると不安定で衝動的になります。

 

尽くしすぎて疲弊しているところに、相手に裏切られると、境界性人格障害を併発しやすいです。
心が大きく傷つき、精神のバランスが保てなくなります。

 

そうなると、誰彼構わず愛情を求めたり、些細なことで言い争いが絶えなくなります。
依存していた相手を平気で裏切るようになります。

 

このタイプは子供時代に親に振り回された人がなりやすいです。
親自身が不安定であったり、自分勝手な性格であったり、アルコールなどの依存症で、子供に関心を払えない状況にあります。

 

極度の愛情不足や虐待などの厳しい環境で育った人は、十代初めからこのような傾向を示すことがあります。
虐待をしている親に認めてもらおうと涙ぐましい努力をしたり、親にひどいことをされているのに反対に庇ってしまいます。

 

子供は親の気分を損ねないように小さい頃から親の顔色や機嫌を伺い、薄氷を踏むような気持ちで暮らしています。
親の気分は非常に不安定で、笑ってたかと思うと突然怒り狂います。
子供は抵抗する術もなく翻弄されるしかありません。

 

子供はこうした体験を積み重ねると、本音を言わずに相手に合わせ、将来に対して漠然として不安を抱えるようになります。
主体的に意思決定をして人生を進んでいくということができなくなります。

 

そして成長すると、自分を保護してくれそうな人を見つけ、過剰に尽くします。
その人から理不尽な扱いを受けても、犠牲になることに甘んじて相手を悪く思うことができません。

 

しかし、そうした無理が続くと、心身に変調をきたします。
過呼吸や摂食障害、うつ、パニック、自殺企図、アルコール依存、薬物依存などとなって現れます。

 

このタイプの人は、相手の顔色を伺い、気持ちを読み取るのは得意です。
しかし、自分で自分を支え、コントロールするのは非常に苦手で、何かに頼り依存しようとします。

 

究極的に求めている人物像は完璧な母親または父親です。
しかしこれは叶えられないことが多く、叶わないと悟ると一緒に人生を終えてほしいという欲求を抱くことがあります。
そのため、破滅的な人に出会ってしまうと、どんどん悪い方向へといってしまいます。

 

心が広く寛容で受け止めてくれるようなパートナーと出会うことで、心が安定し症状は劇的に回復するでしょう。

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