境界性人格障害の増加の原因:多忙な母親と父親機能の弱体化
母親が多忙になり、父親機能が弱体化したことが境界性人格障害の増加の原因の一つとなっています。
近年、女性の社会進出や離婚の急増に伴い、働く母親が増え、母親が幼い子供とゆっくり時間を過ごせない状況が増えています。
生活のために乳児のうちから働かざるを得ないケースもあります。
母親の代わりに保育士が世話をして子供を育てることは、子供と母親との絆の形成に影響を与えます。
乳児期は一緒に過ごせても、分離不安の高まった再接近期に子供を預けないといけないケースも多いです。
これらのことにより、子供の安心感は脅かされ情緒不安定になりやすくなります。
また、父親機能の弱体化も指摘されています。
父親の権威や不動の価値観が失われ、子供が確かなものとして信じるものを失っています。
仕事で多忙なため、家庭における父親の不在時間も増えています。
子供を叱れない父親も少なくありません。
こういった母親が母親として父親が父親として機能できないアノミー化(無規則状態)が、境界性人格障害を助長する状況を作り出しています。
逆に言えば従来の構造化された社会では、境界性人格障害の人は今ほどはいませんでした。
母親・父親に限らず、構造化できていない社会では境界性人格障害になるリスクを生み出します。