境界性人格障害の複雑性:偽りの自分と本当の自分の葛藤

境界性人格障害の複雑性:偽りの自分と本当の自分の葛藤

境界性人格障害の複雑性は、偽りの自分と本当の自分の葛藤が作り出しているとも言えます。

 

境界性人格障害の根底には、統合機能や自我機能の弱さ、コントロール不全、自己否定的な認知などがあります。
その背景には、幼少期の見捨てられ体験や愛情飢餓、親との葛藤によって作り出された傷ついた不安定な自己愛が存在しています。

 

境界性人格障害では、自己の確立ができていません。
自分が自分であることを認めることに困難を抱えています。
本来の自分になろうとする過程で障害が起こっているのです。

 

幼少時代から親に求められ続けていた自分から、これから生まれ変わろうとする本来の自分へと移行するのがうまくいかず、軋轢が起きている状態です。

 

そして、本当の自分が、親から求められて作り出された偽りの自分を拒否しています。
そのため、境界性人格障害の特徴であるさまざまな不安定さが露呈します。

 

自己を確立するためには、過去の自分を一度否定した後、その正反対の自分を作り出し、両者を統合して新しい自分を生み出すことが望ましいです。

 

従来の自分にしがみついたり、正反対の自分を否定すれば、自己の確立はさらに難しくなってしまいます。
逆に言えば、これを乗り越えれば境界性人格障害の克服の大きな一歩となります。

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