境界性人格障害:現代社会はボーダーレス

境界性人格障害:現代社会はボーダーレス

境界性人格障害の「境界」の意味は一つではありません。
もともとは神経症と統合失調症との「境界」にある疾患という意味でした。

 

神経症 不安やストレスが強く、心の問題が症状になる状態
統合失調症 幻覚、妄想が出て、現実の捉え方が歪んでしまう精神疾患

 

境界性人格障害はどちらとも診断することができませんでした。

 

しかし、現代社会はあらゆるところでボーダーレスになっています。
さまざまな規制が緩くなり、物事や人間関係など、あらゆる面で境界が曖昧になっています。
個の自由が広がった反面、弊害も生まれるのは、ある意味当然の成り行きと言えます。

 

  • 世代
  • 子供と大人の境界が曖昧です。
    大人になる年代もずれて、遅くなっています。

     

  • 家族
  • 父親と母親だけでなく兄弟姉妹も含め、家族の在り方が変わりました。
    離婚、内縁、事実婚なども影響を及ぼします。

     

  • 男女の役割
  • 女性、男性それぞれに期待される役割がないか、変わりました。

     

  • 病気と障害
  • 人格障害や発達障害のように、病気とも障害ともいえない人が増えました。

 

境界性人格障害は、境界が希薄な現代に、うまく適応できない障害ともいえます。
学校、職場などでさまざまなトラブルを起こし問題となります。

 

これらが近年の境界性人格性障害の増加の原因の一つとも考えることができます。

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