境界性人格障害は自我同一性が欠如している

境界性人格障害は自我同一性が欠如している

境界性人格障害の人は、自分がどういう人間かわからず、自我同一性が欠如しています。

 

自分がない、または良い自分と悪い自分がいて、どちらが本当かわかりません。
単に周囲に合わせているだけで、自分のイメージがありません。

 

自我同一性とは、アメリカの精神分析家であるエリクソンが提唱した概念です。

 

自分とはどういう人間かというイメージ、日常生活で自分はこんな人間だという意識、社会的に担っている役割を総称した、自己感覚のことを指します。
いわばアイデンティティのことです。

 

これは、自分だけで考えていくものではなく、外から与えられた自己と、これまで生きてきた自己、これから生きていこうとする主体的な自己を統合しながら確立していきます。
健康な人は、思春期・青年期に確立していきます。

 

自我同一性が形成されると、自分は社会にとって意味があり、自分がここで生きているという実感が生まれます。

 

境界性人格障害の人は、この同一性が崩れています。
突然怒り出して相手を罵倒する激しさを持っているのに、内面の自己イメージは希薄です。
嵐が過ぎ去ると相手に謝りしがみつくのはこのためです。

 

自我同一性が欠如している人は自我同一性を形成することで、症状を大きく改善することができます。

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