境界性人格障害の増加の原因:適切な母親離れができていない
境界性人格障害の増加の原因として、適切な母親離れができていないことが多いです。
境界性人格障害では母親との関係、特に母子分離が深く関わっていると言われています。
子供は、乳離れする1歳半〜3歳にかけて、徐々に母親から分離していきます。
その過程で、一旦母親から分離しかけていた子供は、再び母親を求めるようになります。
これを再接近期と言います。
再接近期をうまく乗り越えられるどうかが母子分離をうまく乗り越えられるかの鍵となっていきます。
母子分離をうまく乗り越えられなかった場合は、それが原因となって境界性人格障害になりやすいと言われています。
子供に十分な対応をしていない母親も問題ですが、より重大な問題となるのが、子供が離れていくことに不安を感じ、自分の思い通りにコントロールしようとする母親です。
無意識のうちに、母親から自立することはいけないことであるというメッセージを子供に刷り込みます。
そして、子供は母親離れすることは母親を裏切ることだと、間違った学習をしてしまいます。
その結果、子供は自立を諦めて母親を裏切らずに良い子を演じるか、母親を裏切って悪い子になり自立をするかの二者択一に追い込まれてしまいます。
このような状況が、数年〜数十年経った後でも、他人に対して再現され、非常に不安定な人間関係しか構築できなくなります。