境界性人格障害の増加の原因:親子関係の変化
現在の境界性人格障害の増加の原因の一つに、親子関係の変化が指摘されています。
乳幼児期に、母親と安定した関係が築けたかどうかが、その後の情緒の安定や自己の確立を左右します。
母親と子供の愛着関係は、人に対する基本的な信頼感の基礎となるだけでなく、対人関係のパターンや人格形成に多大な影響を与えます。
ですので、幼い時期から母親と引き離されると、脳の神経細胞レベルで変化が起こり、それが半永久的にその人の人生に影響を与えます。
現在社会では、幼いうちから母親との関係が希薄になったり、早くに母親から引き離されることがあります。
最たる例がネグレクトです。
ネグレクトされて育った子供は、周囲に大して無関心となり、他者に愛着を示さない愛着障害に陥りやすいです。
また、親の愛情を失って育った反動で、誰彼かまわず懐くタイプの愛着障害もあります。
振り向いてくれる人には見境なくしがみつきますが、その人がいなくなるとまた別の依存する相手を探すというわけです。
境界性人格障害のほとんどの人は、乳幼児期に愛情喪失体験や見捨てられ体験をしており、愛情飢餓感を抱えています。
一見問題のないように見える家庭でもこのような体験は起こり得ます。