境界性人格障害の有名人:ヘルマン・ヘッセ
「車輪の下」で有名な作家ヘルマン・ヘッセも境界性人格障害だったのではないかと考えられています。
14歳の時に入院治療を受け、何度も自殺企図を繰り返しています。
両親は熱心な宣教師でした。
我が子であるヘッセに厳しく接し、自分達と同じ人生を歩むことを期待しました。
ヘッセは幼少期から神経質で、思い通りにならないとよく癇癪を起こしていました。
そのたびに親は厳しく叱り罰を与えていましたが、これが逆効果でした。
返ってヘッセの問題行動はひどくなり、教団の児童寮に預けることになりました。
それ以降何年もヘッセは週に一度だけ家に帰ることが許されました。
神学校で落ちこぼれ、牧師の家で仲良くなった年上の女の子への片思い等トラブルを起こし、ついには親に精神病院に入れられることになります。
その精神病院は城門と城壁に囲まれ外界から隔離された施設でした。
ヘッセは非常に絶望的な気持ちになり、両親に見捨てられたことへの怒りや悲しみ、恨みをつづった手紙を送りました。
そこでの生活に馴染むとヘッセは回復していきました。
しかし、家に帰るとまた不安定になり、再び施設に戻る、両親への恨みの手紙を書く、この繰り返しでした。
親が子供の心に適切に対応できず、反対に傷つけることによって、境界性人格障害が発症したのだと考えられます。