境界性人格障害の治療の心構え
境界性人格障害の治療の心構えは、本人が「治したい」という気持ちを高めることです。
医師に治してもらうという気持ちでは治療はうまくいきません。
患者本人が「治したい」という気持ちをもって取り組むことが重要です。
患者の悩みはさまざまですが、背後にある境界性人格障害という病気について、本人がきちんと理解しておく必要があります。
この人なら何とかしてくれると医師を理想化したり、薬さえあればと薬物療法に依存するのでは、回復には結び付きません。
対人関係で問題を抱えやすいという特徴が、医師をはじめ治療スタッフとの間に現れてしまうことがあります。
治療を続けるためには、治療のルールを守る必要があります。
治療の約束事についてあらかじめ話し合っておくことも重要です。
スタート時の話し合いとして「心理教育」を受けることが大切です。
心理教育の内容は次の通りです。
- 現状の正しい認識
- 治療目標の設定
- 限界の設定
ささいなことで感情が大きく揺れ動き見捨てられ不安を感じやすい状態にあることを理解します。その上で直面している問題を明らかにします。
現状を正しく理解した上で、具体的な治療目標を設定します。
例1:リストカットや過量服薬をしない
例2:家族への暴力をやめる
例3:アルバイトをする
今はじめようとしている治療を続けるために、最低限守る条件を決めておきます。不適切な行動がみられた場合は、治療の中断や外来から入院治療への切り替えなど、治療方法の変更も起こりうることを認識しておきます。
心理教育でしっかりと話し合ってから、治療開始へと進みます。