境界性人格障害の症状:見捨てられ不安
境界性人格障害の人は、少しのすれ違いで見捨てられたと思い込むことがよくあります。
境界性人格障害の人は自ら対人関係を壊してしまいがちです。
「見捨てられたくない」という強烈な思いが、かえって関係を損ねる行動を引き起こしてしまいがちです。
幼い子供は、母親の姿が見えなくなると、自分が置き去りにされたと思って泣きわめきます。
境界性人格障害の人が「見捨てられるのではないか」と感じた時にみられる感情反応はこれに非常に良く似ています。
境界性人格障害の人は「確かな自分」が無いため、周囲の働きかけなしに自分の存在を実感することができません。
見捨てられ、一人にされることは、自分の存在をゆるがすような耐え難いことです。
だからこそ、相手の言動にひどく敏感になったり、激しい不安を解消するために無謀な行動に出たりします。
通常の発達の流れは次の通りです。
1.母子一体の状態
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2.母親から離れ、自主的に行動できるようになる
↓
3.仲間とのつきあいなどを通じて「確かな自分」を見つけていく
しかし、境界性人格障害の人はここまでの過程のどこかにつまずき、「確かな自分」を見つけられていません。
その結果、以下の悪循環に陥ってしまいます。
1.対象との一体感を求める
自分の存在を確認したいがためn、母親や恋人など、身近な存在である対象への一体感を強く求めます。
↓
2.現実の問題
期待はずれの言動に直面し、一体感が損なわれます。
↓
3.見捨てられ不安
見放される、一人になるという不安が噴出します。
↓
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