境界性人格障害の症状の根底にあるもの
境界性人格障害では、認知、常道、行動、対人関係、アイデンティティといったさまざまなレベルで、不安定さや極端さを示します。
この症状の多様さがまた境界性人格障害を難解なものにしている所以です。
しかも、その状況や時期によって状態が大きく変動します。
あるときは全く健康で正常な状態だと思えることもあれば、別のときは激しいうつ状態で今にも自殺しそうな状態なこともあります。
不安や過呼吸発作など、極度な完璧主義のような神経症的な症状が中心の時期もあれば、幻聴が聞こえたり、被害妄想に囚われたり、錯乱や興奮状態に陥り精神病かと思うこともあります。
記憶がなくしたり、過食に走ったり、嗜癖的な行動に溺れたり、衝動的に万引きをすることも少なくありません。
かといって、すぐに全く普通の状態に戻っていたりします。
こうした状態の変動性と多様さが、境界性人格障害の特徴でもあり、理解が難しく、ただの我がままや気まぐれではないかといった誤解を生む原因にもなっています。
しかし、これらの境界性人格障害の症状の根底にあるものは、強い自己否定感です。
幼少期に十分な親の愛情を得られなかったことなどが原因で、自分を肯定することができず、すぐに周囲の言動に過敏に反応し、極端な行動を取ってしまいます。