境界性人格障害の症状:変動が激しい
境界性人格障害ではさまざまな症状が見られますが、その最大の特徴は変動が激しいということです。
気分、行動、対人関係、自己のアイデンティティ、あらゆる側面において、短期間に揺れ動き別人のように状態や方向性が変わってしまいます。
しかも、全く正反対の方向に両極端に揺れ動きます。
そのため、周囲との関係性に支障が生じるだけではなく、結局自分がどこに向かっているかもわからず、本人も苦しむことになります。
楽しく過ごしていたはずなのに、些細なことから急に不機嫌になったり深く落ち込んだり怒りをむき出しにしたりします。
周囲が少し言い過ぎただけなのに、顔色を変え、その場を飛び出したり、ときには自傷や自殺企図に走ったりします。
冗談のつもりで言った言葉にさえ、深く傷ついて過剰反応をしてしまいます。
こういったことが繰り返されるうちに、友人や恋人、家族などは、次第に腫れ物をさわる扱いになったり、薄氷を踏むように本人の機嫌や顔色を伺うようになります。
言いたいことや咎めたいことがあっても、また本人が機嫌を損ねて大騒ぎになってはいけないので、それを押し殺して生活するようになります。
境界性人格障害の当人には、特に周囲を心理的コントロールしたり振り回す意図はありませんが、結果的にそうなってしまうのも、大きな特徴の一つだと言えます。