境界性人格障害は年齢とともに落ち着く
境界性人格障害はほとんどの場合、年齢とともに落ち着きます。
境界性人格障害は、生まれつきの性格ではなく、また永久に続く固定の性質でもありません。
思春期から青年期、成人早期に始まる嵐のような感情が特徴です。
しかし、やまない嵐はありません。数年立てば嵐は終息します。
本人の悩みが根深いものであったり、周囲の対応がまずい場合は、終息するのに十年、二十年とかかる場合もあります。
ほとんどの人は、30代半ばから落ち着き始め、年齢が上がるともに改善していきます。
嵐の最中に、思いつめた行動に走る危険を回避できれば、その後は落ち着いた人生を送ることができるでしょう。
境界性人格障害が落ち着いたとして、それまでにどういう生き方をしたかによって内面を成長できる場合もあれば、偏りや幼さが多少残る場合もあります。
薬物に手を出して依存症になった、などの負の後遺症をがあると、回復にはより長い時間が必要となります。
境界性人格障害の人は、自身が抱えた生きづらさゆえに、それを乗り越えようとするとする中で、鋭敏な感性や思いやりを持ち、常識にとらわれない個性を培う人が少なくありません。
ですが、同時に傷つきやすさや安心感の乏しさが試練となってあらわれることもあります。
人生をいかに生き、自分の抱えている問題に向き合ってそれを克服したかが、後半生に現われます。