境界性人格障害は区別しにくい
境界性人格障害は、他のパーソナリティ障害と区別しにくいです。
パーソナリティ障害はパーソナリティの構造上のゆがみという点では共通しているからです。
パーソナリティとは、ものごとの捉え方や考え方、感情、行動のあり方など、人それぞれの癖のようなものです。
パーソナリティのあり方ゆえに、さまざまな問題を抱えるような状態をパーソナリティ障害と言います。
現在、診断名は特徴ごとに分類されていますが、明確に区別できないことが少なくありません。
特に境界性人格障害と、反社会性人格障害、演技性人格障害、自己愛性人格障害は共通点が多く見られます。
<パーソナリティ障害の分類>
内向的 | (中間) | 外交的 | |
---|---|---|---|
神経症性パーソナリティ構造 | ・強迫性 | ・うつ病性被虐性格 | ・ヒステリー性格 |
高レベル境界性パーソナリティ構造 | ・サド・マゾ的性格 |
・依存性 |
・演技性 |
低レベル境界性パーソナリティ構造 |
・妄想性 |
・軽躁病 |
・悪性自己愛性 |
精神病性パーソナリティ構造 | ・非定型精神病 |
高レベル境界性パーソナリティ構造と低レベル境界性パーソナリティ構造を合わせて、境界性パーソナリティ構造(BPO)と言います。
境界性パーソナリティ構造は、神経症レベルと精神病レベルの中間的な存在として位置づけられています。
現実とのかかわりを失うほどではありませんが、さまざまな問題を抱えやすい状態にあります。
また、境界性人格障害は発達障害やうつ病との関連が指摘されています。
成人の発達障害に見られる衝動性や、うつ病に見られる気分の浮き沈みが、境界性人格障害の症状によく似ているからです。
複数の傷害を併せ持つ状態と診断されることがあります。