境界性人格障害の治療の経過:感情を抑えることができるようになる
境界性人格障害の治療が進み、ある程度回復して視野が広がってくると、自分と周囲との関わりが見えてきます。
相手の事情も考えず些細なことで泣いたり騒いだり、感情に振り回されていた自分に気付きます。
そして、感情を抑えることができるようになります。
境界性人格障害の人は、自分のイメージをつかめない、社会での役割があからないといったアイデンティティの不確かさを感じています。
しかし、一人で考えていてもなかなかつかむことはできません。
自分のイメージを安定させるには、集団の中自分がどのような位置にいるのかをとらえることが必要です。
全体が見えてくると、個々が見えてきます。
そのためには、集団に属さないとなりませんが、同年輩の集団は不安や緊張が生じやすいです。
最初はいろいろな年代の人がいる集団の方が安全です。
例えばこんな風に考え方が変わります。
回復前 |
回復後 |
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○×ができなければ死ぬ!と言っていた | 白黒決めないで中間の考え方もあると理解している |
恐怖や不安から自室に閉じこもっていた | 外には新しい世界があると知った |
欲求不満の種を見つけていては怒っていた | 欲求不満は無理に解決しなくていいと考えている |
担当医一人に頼っていた | 他の医師や心理士などに相談できるようになった |
医師に恋愛感情を持っていた | 友情に変わった |
回復すると、物事や人への感じ方が変わったと気付きます。
感じ方の変化とは、自分自身の変化です。
それは回復していきている証拠です。
人間は成長し続け、変わることができます。
自分の本来持っている力を信じましょう。