境界性人格障害 発症の背景:女性であることの難しさ
境界性人格障害の発症の背景として、女性であることの難しさも近年注目されています。
境界性人格障害は女性に多いですが、女性には大きく3つの像があります。
慎ましやかな女性像、母性あふれる女性像、男女平等で働く女性像です。
この3つをうまく統合できず、葛藤して発症する場合があります。
子供の時は、慎ましやかな女性であれと教育を受けて成長します。
結婚した後は、働き者の主婦、穏やかな母性あふれる母親、夫をたてる妻が要求されます。
また、社会では、仕事のストレスに加えときにセクハラやパワハラをされみじめ自分を感じざるを得ません。
自分の中で自己像を一貫することを苦しむことがしばしばあります。
現代は女性にとって難しい時代とも言えます。
一方、男性は小さい頃から、男らしくあれ、力強くあれ、など要求される像が統一されていることが多いです。
もちろん、その要求と自分のギャップに苦しむ男性も少なくありません。
このような背景からも境界性人格障害は女性に多いことが伺えます。
周囲に要求される女性の役割が違うため、自己同一性を失い境界性人格障害を発症する人がいます。
本当の自分とは一体何なのかを悩みます。
自分に自信が持てないため、安易に他者に寄りかかろうとする側面も持っています。