境界性人格障害:原因ときっかけの違い
境界性人格障害の原因と発症のきっかけは全く別物です。
境界性人格障害は発症するとき、通常きっかけとなる出来事があります。
きっかけは一つであることもあれば、複数であることもあり、また間が置いておこったことが一連のきっかけとなることもあります。
しかし、原因ときっかけは別です。
原因は、長い時間かけて蓄積されています。
一方、きっかけはたまたま最後の一押しをしたに過ぎません。
もちろん、きっかけとなる出来事は原因とは無関係ではありません。
よくあるパターンは、過去のトラウマ体験や承認してもらえなかった体験が再現するような状況に再び出くわしてしまうというものです。
つまり、きっかけとなる出来事が、かつての心の傷や痛みを蘇らせます。
これにより、心理的な動揺が起こるだけでなく、これまで積み上げてきたものがすべて崩れ去るような喪失感を感じ、発症します。
境界背人格障害は、幼少期の喪失体験、見捨てられ体験の傷が、最近起きた喪失体験、見捨てられ体験によって再現され、発症するということが圧倒的に多いです。
このことは発症の際だけに見られるのではなく、その後の経過いにおいても、喪失体験や見捨てられ体験、またそれを想起させる出来事に出くわすたびに、不機嫌になったり、不安定になります。
その際に、自傷行為、過食、危険な性交渉、非行、薬物乱用、自殺企図などを図ります。