境界性人格障害の複雑性:抑圧された自己愛

境界性人格障害の複雑性:抑圧された自己愛

境界性人格障害の人は、抑圧された自己愛を抱えています。
これは自己愛性人格障害の人が抱える自己愛とは違います。

 

自己愛性人格障害では肥大した自己愛を抱え万能感を顕示的欲求を持つのに対し、境界性人格障害では抑圧された自己愛を抱え自己肯定感などが失われます。

 

健全な自己愛を得るには、親からの十分な愛情が欠かせません。
親に支配されたりネガティブな感情を植えつけられると、健全な自己愛が育ちません。

 

境界性人格障害の人は、親子関係にわだかまりを抱え、本当は親に甘えたいのにうまく甘えることができないと感じている人が多いです。

 

境界性人格障害の抑圧された自己愛は非常に不安定で、絶えず努力していないと萎んでしまいます。
自己評価が低く、否定的で、罪悪感を抱きやすいという特徴があります。

 

落ち込みやすい性質をどうにかしようとして、顕示的願望や万能感的な要求を満たしてくれる事柄にのめりこんでいきます。

 

境界性人格障害の人は、幼少期に自己肯定感が育まれなかっただけではなく、誇大自己の願望も満たされなかったので、その心のうちに顕示的願望を抱えています。
つまり、自己否定と自己顕示が非常にアンバランスな葛藤の中に常にたたずんでいる状態です。

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