境界性人格障害の複雑性:相反する感情を併せ持つ
境界性人格障害の人は、その複雑性の一つとして、相反する感情を併せ持つことが多いです。
例えば、相手を愛しているのに、同時に憎いとも感じます。
根底には、見捨てられたらどうしようという被害妄想的な考え方があります。
しかし、こういった思考や感情のパターンが慢性化することで、根底にある理由が自覚されることなく、常に相反する感情を抱いてしまいやすくなります。
統合機能の弱い状態や、より重症な境界性人格障害で、顕著になりやすいです。
幼少期に虐待を受けたり、愛情を剥奪された人は、自我の統合性が弱くなります。
家族や周囲の人は、相反する感情をぶつけられれば当然困惑します。
その結果、口では優しいことを言うけれど、顔つきが本人を拒否するなど、二重拘束の状態を生み出してしまうことがあります。
二重拘束の状態に陥ると、本人は方向性を失い、ますます相反する感情がエスカレートしてしまいます。
このような状況を防ぐためには、家族や周囲の人は、良いことばかり、または悪いことばかりを言わないことが重要です。
良いことともに、悪いことも言うようにしましょう。
本人に相反する感情があるということを理解し受け入れ、こちらもありのままを伝えることが、バランスの良い統合をサポートし、境界性人格障害を改善します。